乳癌の臨床試験で陽子線治療が行われたようです!
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乳癌の陽子線治療。乳がん治療の中で行われていそうですが、実は今まで行われていなかったのです!
陽子線治療とは
陽子線は、体内に入っても表面近くではエネルギーを放出せず、停止する直前にエネルギーを放出して大きな線量を組織に与える性質があります。これを発見者の名をとって「ブラッグ・ピーク」と呼びます。がんの治療では、病巣の深さや大きさに合わせて、このピークの深さや幅を拡げることができます。
通常の放射線治療で用いられるX線は、体内に入るに従って吸収される放射線量が徐々に減少するので、病巣の前後にある正常の組織も同等の線量を受け、副作用を生じる原因になりますが、陽子線の場合には病巣のみに効率よく線量を集中でき、副作用を少なくできます(下の図をご覧ください)。
http://www.ncc.go.jp/jp/ncce/consultation/pbt.html
乳がんになぜ陽子線治療が難しいのか?
陽子線治療ではがんの位置や大きさを正確に把握する必要がある。例えば呼吸による動きも治療前にCTやMRIを使って詳細に把握しなければならない。そのため、胃や腸など不規則に動く(不随意運動のある)臓器のがんには適用できない。従来は、乳がんについても形が変わりやすい乳房がターゲットとなるため、適用されていなかった。http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/101900774/?ST=health
乳癌の治験で陽子線治療が行われたようです!
鹿児島県指宿市の滞在型がん治療施設、メディポリス国際陽子線医療センターは、乳がんを陽子線で治療する方法を確立し、早期乳がんの陽子線治療のみによる治療1例が無事終了したと発表した。3Dプリンターで作成した固定用装具を使うことで、実現した。
そこで同医療センターでは、3Dプリンターを使って乳房の固定装具を作ることで、乳房を固定し、照射する方法を開発した。乳がんの部位と心臓や肺などの臓器をできるだけ離すために患者をうつ伏せにした状態にして、10台のカメラで3回写真を撮影し、その30枚の画像データを基に3Dプリンターを使ってカップを作る。カップに若干のすき間があり、そこに粘着剤を塗布して乳房に張り付け固定するという。この固定装具があると、患者があおむけに寝た状態でも、理想的な形に乳房を固定できる。固定装具にオペレータが照射室に入らずに8カ所から同時照射できる「遠隔多門」タイプの陽子線照射装置と組み合わせることで、治療が可能になったとする。
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/101900774/?ST=health
肺や心臓といった乳房の奥にある重要な臓器を保護するために、仰向けとうつ伏せの体位を自在に反転できる装置を開発。
加えて、立体的で柔軟な乳房に陽子線を正確に当てるために、乳房を固定する装具の作製に3Dプリンターの技術を応用しました。
実に、4年間の研究開発期間を経て、2015年6月より臨床試験を開始しました。
このような感じのようです!
不可能な治療を可能にしていく。患者さんへの治療の負担が最小限に抑えれる。
この治療が当たり前のように乳癌治療の選択肢の1つになることを祈りたいです!